自閉症児と頻尿おやじの不安払拭・未来開拓

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【本】障がいのある子とその親のための「親亡きあと」対策

たいどん:重い知的障害のある自閉症児。永遠の2歳(4月から社会人)

長男坊:休日はゲームとテレビ三昧のたいどんの兄(4月から大学3年生)

ずかとも(私):過活動膀胱を患う頻尿おやじ。永遠の20歳(たいどんのパパ)

 

カミさんが買ってきて「読め」と勧められた本です。

 

タイトル:障がいがある子とその親のための「親亡きあと」対策

著者:鹿野佐代子(長く福祉法人で働いた後、フィナンシャルプランナーの資格を取得し、現在は障がい者やその親たちに向けた勉強会、講演なども行なう)

 

読み終わった感想は

 

「読んで良かった」

 

 

実行、実践しないと本を読んだ意味がありませんが、やっておくべきこと、やっておいた方がいいことが分かりやすく書かれていたので、これから「できる時に」「ひとつずつ」やっていこうと思いました。

 

この本に書かれている「障がいのある子」は、たいどんより知的レベルが高い子という印象を受けました。

 

しかしそれでも親としてやっておくべきことに変わりはないと思いました。

 

この本の中味をかいつまんで紹介したいと思います。

 

興味を持たれた方は是非この本を手に取ってみてください。

 

まずは本の大目次です。

 

 

 

 

これら一つひとつの「章」の下にいくつかの「節」がありますが、その「節」の細かな紹介は割愛し、印象に残った部分を記していきます。

 

 

1章:50歳になった子を想像してみよう

 

障がいのある子(以降 子)が50歳になる前後が「子の老後」を考え始めるタイミング。子にお金をいくら残せばいいという正解はないが、子の暮らしをイメージして、ざっくりでもよいので試算し、月や年単位で試算し把握しておくとよいです。

 

たいどんの場合、恐らく就労し収入を得ることは不可能です。従いたいどんの収入と言えば障害者年金のみ。また生活する場所もグループホームよりは病院のような入所施設になるでしょう。

 

最善は「障害者年金で必要最低限の暮らしができる施設」が見つかることですが、暮らす地域や施設の規模などによって必要な金額は変わってくるでしょうね。

 

でも大切なことは「65歳以降になってもその施設や福祉サービスを利用できるかどうか」を知っておくこと。最近では65歳を境に障がい福祉サービスから介護保険サービスに切り替わり、その影響で慣れ親しんだ施設やサービスを受けられなくなることもあるとか。

 

ずっと同じ施設やサービスを利用できれば本人も安心です。そのような施設を探すことも大切ですが、我が家の場合は私の退職後の居所をどこにするかが問題です。たいどんは広島、私たち親は長崎なんていうことは避けたいですからね。

 

 

2章:障がい者を支える制度を知ってから備える

 

この国には何層にも設けられたセーフティーネットがあります(制度や金額などは将来変化する可能性はあるでしょうが)。例えば生活保護なんかもその一つ。なので「子にお金をいくら残すか」「親亡きあとのために何の対策をすべきか」を考えるときは、こうしたセーフティーネットの存在を知っておくと「福祉とつながってさえいれば何とかなる」と安心感が得られます。

 

たいどんは一人暮らしはとても無理。従い突然二親とも亡くなっても、役所がどこかの施設に放り込んでくれるでしょう(役所にたいどんの存在をどうやって知らせるの?という課題はありますが、今のところママ友が何とかしてくれるのではないかという(甘い?)期待)。

劣悪な施設は困りますが、とはいっても福祉のプロ。行政から(たいどんのための)お金を引き出す手法、手続きは知っているはず。最低限の衣食住には困らないかな(映画「月」のように部屋に監禁・軟禁されては困りますが)。

 

また高齢となった親は「自分」のことも心配になります。元気なうちはいいですが、何らかの障がいを負ってしまった場合などには、地域包括支援センターを利用することも可能。

親がこことつながっていれば、子のことも一緒に相談でき、専門家への橋渡しをしてもらいやすくなります。

 

 

3章:移り変わる暮らしに合わせて備えを見直そう

 

子の障がいの程度にもよるでしょうが、早いうちから親元を離れてグループホームで生活したり、或いはずっと自宅で(一緒に)暮らすという選択をしたり、そうは決めても事情によりグループホームに移ったり入所施設に入ったりと、将来の生活環境が変化する可能性はあります。

 

そうした中で心配となることの一つが金銭管理。

 

成年後見人制度」というものがありますが、筆者の鹿野さんは成年後見制度を利用するには注意が必要と仰ってます。

(別の書籍で読みましたが、障がい者のお金を、たとえ障がい者自身のために使おうとしても、後見人の許可(認可)が必要だそうで「パーマをかけたい」と希望しても「贅沢だからダメ」と言って認めてくれなかったとか。そのくせ毎月数万円(安くでも2万円くらい)の手数料をもっていくそうです。しかも一度後見人がつくと簡単には中断したり交代させたりできないやっかいな制度です)

 

成年後見人に頼らなくてもさまざまな金銭管理サービスがあり(多少の費用はかかりますが)、それらを知っておくことで無駄な出費(高い手数料)を抑えられます。

 

金銭管理は本人ができれば最善でしょうが、親や兄弟など親族で管理することも難しければ、福祉施設社会福祉協議会、民間の金銭管理サービスもあるとのこと。

 

こういうことを知っているのと知らないのでは大違いです。

 

また一緒に暮らしていた親の方が先に要介護になる可能性も大です。

親自身も施設への入所を考えているのであれば、親と障がいのある子が一緒に暮らせる「共生型」のグループホームや老人ホームもあるとか。ただしこの共生型はまだまだ数が少ないそうです。

希望する施設があれば、早めに地域包括支援センターや地域相談支援センターなどに相談し、見学しておくことよいそうです。

 

私はたいどんと一緒に暮らし続けたいなぁ。。。

 

またお金の残し方についても「障がい者扶養共済制度(しょうがい共済)」というものがあり、それに加入していれば、子の生涯にわたって子の通帳に毎月年金が入るものだそうです。

親が35歳未満の場合、月々の掛け金は9300円からとお安くはありませんが、この制度も知っていて損はありませんね(掛け金1口につき、毎月2万円が年金として振り込まれるようです。2口まで可能)

 

 

4章:残したお金を子が使うために必要なこと

 

せっかくお金を残したのにあまり使われず残っている場合も多いそうです。

使う必要がないため残っているのであればいいのですが、そうでない場合の原因として大きく3つあげられています。

・本人自身がお金を使えない

・金銭管理をする人の判断で「使う・使わない」が決まる

・貸金庫等で厳重に保管され簡単には使えない

 

例えば亡くなった親が加入していた生命保険を子が把握しておらず請求が漏れるなど「知らない」「手続きができない」。

お金の管理者(前出の成年後見人や管理サービスの人)の判断が伴うもの。心ある管理者の中には「長くお金を残してあげたい」と考え、簡単には使わせない人もいるでしょう。

貸金庫等を開けるには面倒な(?)手続きや署名・捺印などが必要となり、その手続きができなければどうしようもない。

 

いずれにしても事前に対策を講じ、管理者・管理サービスに任せきりにはしないこと。

 

子の幸せのために「こういうことに使ってください」としっかり伝え、できれば定期的に親兄弟など親族が確認できるといいですね。

 

たいどんは多くを望んだりはしません。

DVDプレーヤーやタブレット(Youtube用)が壊れたら買ってあげてください。DVDも劣化して見ることができなくなったら新しいものを買ってあげてください(アンパンマンが好きです)。週に1度は海老天を2尾、或いはサーモンのお刺身を1パック食べさせてあげてください。。。

 

ここでも再び成年後見人制度について書かれています。その制度に対する知識がないまま(施設や銀行などからの求められるままに)利用するのは禁物だと。

利用を求める方は「必要だ」と信じているから求めてくるのでしょうが、実際には別の方法で対処できる場合もあるとか。また子の障害レベルによっては不要な場合も。

安易に成年後見人制度を利用しトラブルとならないよう、後見人制度の知識を身につけたり、また相談支援員さんやケアマネージャーなど専門家との連携もとれるようにしておくことが大切です。

 

 

5章:親自身の老後と親が亡くなったあとの手続き

 

一人ぐらしの親(私?カミさん?)に「もしも」が起きたら。。。それが家の中の場合は誰にも気づかれず異臭がして初めて気づかれるのかも?

そうならないよう地域の人との交流や、いろんな見守りサービスを利用することが必要です。またそういった場合でも、緊急連絡先などを紙に書いて冷蔵庫に貼っておくなどすると安心度が違います。緊急連絡先の人には死んだ後のことを託しておくとなお安心です。

 

そういう人がいない場合は、弁護士や司法書士の人と「死後事務委任契約」を結んでおく方法も。相続以外の死後の事務処理(葬儀や納骨、遺品整理など)を頼むことができます。

 

余談ですが、例えば病院で死んだらそのまま火葬場へ、ということは法律で禁じられているそうです。何でも死後24時間経過してからでないと火葬してはダメなんだとか(特定の感染症の場合を除く)。

私はそうしてほしかったのですが。。。検体にしてもらっても構わないかな。。。

 

また遺影用の写真や遺言書、エンディングノートの準備もしておくといいそうです。そうすることで死後の手続きをしてくれる人が悩んだり、相続でもめたりすることを防ぐことができます。

それから出生から最後に至るまでの戸籍謄本をそろえておくこと、子の実印を作っておくことも勧められています。

印鑑登録は役所に行って行ないますが、本人による届け出を要求されたりする場合があるとか。事前に役所に確認しましょう。法律ではそのようなことは書かれていないようですが、役所によって対応が異なっているのが現実のようです。

また印鑑登録は子が住所を(他の自治体に)移してしまうと改めて登録しなおす必要があることにも注意が必要です。

 

※遺影用の写真

こんなエピソードが載ってました。

ある高齢のご婦人が遺影用の写真を見せてくれたそうです。実年齢(80代)よりずいぶんと若い時の写真。そのご婦人が言うには

「主人はずいぶん前に(60代で)亡くなった。主人の遺影の横に(今の年齢の)自分の遺影が飾られると「ダンナはずいぶんと年の離れた嫁さんをもらったんだな」と思われるのがかわいそうで。。。」

ちょっと心温まるエピソードですね。

 

 

あとは断捨離。

本当に必要なもの以外は早めに処分し、残すモノについても自分の死後はどうしてほしいといった希望を伝えておく。また名義変更が必要なものについても早めに変更しておくなど、生きているうちにやっておくと残された人の負担が軽くなります。

 

 

<終わりに>

いかがでしたでしょうか。

とにかく私にとってはとてもありがたい本でした。

ここに記したのはほんの一部であり、もっといろんなことが詳しく書かれています。

 

エンディングノートは(私用に)カミさんが買ってきました(何か裏がある?)ので、書けるページからでも書いていきます。戸籍謄本も帰省時に(役所が開いていれば)取っておきたいですし、結婚を機に本籍を移しましたので、以前の本籍地の役所からも取りよせようと思います。

 

何のせよ、大切なのは行動にうつすこと!

 

重たいお尻を持ち上げてたいどん(と長男坊)のために準備を始めます。

(ダイエットもうまく進んでおり少し軽くなりました)

 

 

ではまた。

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