たいどん:重い知的障害のある自閉症児。永遠の2歳(高3)
ずかとも(私):過活動膀胱を患う頻尿おやじ。永遠の20歳(たいどんのパパ)
来春には高等部を卒業するたいどん。
卒業後の進路(お世話になる作業所。生活介護ですが)は決まりました。
これからは学校のような春休みや夏休みはなく、普通のカレンダー通りの生活を送ることになるのですね。
たいどんの未来、どんな生活が待っているのでしょうか?
その未来予測(?)も兼ね、先日(11月29日)障害者施設の見学に行ってきました。
この記事はその覚書きです。
見学した障害者施設を運営するのはA福祉会。
非認可の時から数えると約40年くらいの歴史がある。
利用者(障害者)の人数は
成人:約100人
児童:100人弱
比較的規模の大きな施設。
見学させて頂いたのは
1.共同ホーム(入所施設)
2.グループホーム
3.作業所(生活介護がメイン)
4.お店(アイスクリームほかを販売)
5.農園
このほかにもいくつかの施設を運営されている。
案内/説明くださった方は「障害者のため施設ではなく、地域づくりのための施設、地域と共に生きていくための施設」を目指していると仰っていた。
コロナの影響で中断されていたが、自らイベントを企画し地域の方を誘ってみたり、また積極的に地域のイベントにも参加されている。
A福祉会は農村地に位置しており住民の高齢化が進んでいる。地域のお祭りでは福祉会の利用者が若手として活躍されているとか。
障害者だけでは生きていけない。施設の方々や地域の方々の力が必要になる。障害者を快く思わない人々もいると思うが、交流することでお互いの距離感が近くなるはず。
障害者も保護者も一緒に、もっと積極的に外へ、街へ出かけるべきだと思う(言うは易しだけど)。
施設を見学する前に質問事項をまとめたが、だいたい聞くことができたと思う。全ての福祉会が同じかどうか分からないが、とてもタメになる見学会だった。
共同ホーム(入所施設)
特に知りたかったことは入所施設のこと。入所者の親亡き後やお金の問題についてであった。
利用者は障害の程度が重い方が多く食事やトイレ、お風呂の介助が必要な方々。そういう方々は自身ではお金の管理はできない。お金の管理は(親や身寄りがいない人は)福祉事務所が後見人になっているケースが多く、A福祉会でも入所者の通帳とハンコを管理しているとのこと。
(利用料は親がいない人については障害者年金だけでのようであった)
不正を防ぐ方法まで聞くことはできなかったが、いわゆる一般的な成年後見人制度を利用し(後見人は何もしないのに)毎月数万円の手数料を取られるといった(全くもってバカバカしい)制度を利用している人はいないようであった。
入所者は30人(男性20人、女性10人)。3階は女性専用の部屋。
入所者には個室が与えられており、部屋にはベッドが設置されていた。個人によってはテレビ等を置いている人もいる。
21時には消灯となり、夜間は男女各1名のスタッフが常駐。
土日祝日は3名程度のスタッフがいて、ドライブや余暇活動を行なっているとか。(過去のやまゆり園のように)ほったらかしではないようだ。
お風呂は毎日入れる(たいどんはお風呂が好き。これはいいこと)。介助は同性のスタッフが行なってくれる。但し入浴の時間帯は決まっている。
監視カメラは設置されていなかった。虐待は行なわれていないとは思うが、スタッフが変われば起きる可能性もある。これは少々心配な部分。
はっきりとは聞けなかったが、入所者の終の棲家的な存在のよう。入所者の高齢化も進んでおり、また入所者が亡くなることで順番待ちの人が入所できるような状況。入所するには早めの予約が必要なのかな?
(入所施設は減少傾向にあるようです。「施設から地域に」という国の方針が原因らしいですが、国は言うだけ何もしてくれない。。。ような気がします)
グループホーム
できたばかりの2階建ての一軒家。
男性5人が入居。夜間(19:30以降)はスタッフはいない。また介助、介護は行なっておらず、つまりは自立度が高い利用者しか利用できない。掃除当番が決まっていたりする。
1カ月の利用料は
・食費:18千円(朝と夕。除く土日祝日)
・家賃:20千円
・光熱費:23千円(最近5千円アップした)
合計すると61千円。
障害者年金と作業工賃から上記経費を引いて、約20千円くらい手元に残るような金額設定とのこと。土日の食事(仕出し弁当)などはここから。
自立度が高い人なのでB型作業所でもそれなりの工賃が出ているのかも。一般就労の入居者もいるとか。
因みに以前チラシで見たグループホームは1カ月100千円以上でした。
でもこちらは広島市内(郊外ですが)。
A福祉会は隣の市の農村地。
土地代の差が大きいのでしょうか。
作業所
あいにくこの日はインフルエンザの予防接種の日となっており、普段の様子を見ることはできなかったが、普段は簡単な作業を中心に行なっているとか。
利用者は重度の方が多い。作業所といっても生活介護に該当するのであろう。最高齢は85歳とのこと。驚き。
作業は平和公園に捧げられた折り鶴の解体作業や色の選別作業。共同ホームの廊下のモップ掃除などなど。
モップかけでは、利用者は落ちているゴミを認識しにくい人もいるため、まるめた新聞紙を廊下にまんべんなくばらまき、それらを一カ所に集めるようにモップを動かす(と同時に)ごみを集める、といった工夫をされているとのこと。
お店
5人の障害者(30歳代から50歳代)と8人のスタッフで運営。
アイスクリームのほか時期によってはシフォンケーキやクッキー製造と販売を行なっている。また道の駅にも納品している。
挨拶や注文とり(メモに書く)ができる人は接客を、接客が難しい人は材料の計量や容器の洗浄など作る方にまわっている。
農園
お米(古代米)と果樹が中心の農園。野菜は白菜と大根程度。
ブルーベリー農園を観光用としており、季節には多くのお客さんが来るらしい。
またイチゴのハウスも何棟かあり、アイスクリームの材料として利用するほか、道の駅などにも出荷している。一般のイチゴよりも価格を安く設定しているようですぐに売り切れるとか。
作業の様子を見ることはできなかったが、一生懸命頑張って収穫したりしているのでしょうね。一緒に作業したくなりますわ。
最後に
普段の様子を見ることはできなかったが、一度見たからといって全てを理解、把握できるわけではない。可能であればA福祉会を何回も訪問し、いろんなことを見聞きしたいと思う。自宅から遠いけど、たいどんの入所となると不可能な距離ではない。
いずれにせよ、たいどんが入所する施設の選び方や、或いは安心・安全を求めるために(施設側に)要求すべきことが分かるようになるかもしれない。
やはり見学会には積極的に参加すべき。
冒頭にも記したが利用者(入所者)の高齢化が進んでおり、またスタッフの人手不足も起きている。さらには施設不足で入所待ちの人も多いとか。
この先どうなっていくのか不安は尽きないが、私自身が健康で長生きすることと必要最低限のお金(いくらかは分からないけど)は残してあげられるようにしたい。
あちこちで不祥事が発覚しているが、結局のところは「人」ですよね。
補助金目当てに障害者をないがしろにする福祉施設も存在しています。
施設を選ぶには運営者と利用者の両方をしっかりと見極める必要があるのでしょう。そんな力が欲しい。。。
ではまた。